製薬会社の営業マンのすべて

ヘルスケア業界は、高給取りなどのイメージもありますが、社員に優しい業界でもあります。毎年の就職ランキングで人気職種になる理由も納得です。そんな業界に勤める現役MRが包み隠さず発信していきたいと思います。

回復期・慢性期病院経営のゆくえを現役MRが考えてみる。

現役MRのユウトです。

最近の話題はやはり2018年度に行われる医療報酬と介護報酬のダブル改定になっています。開業医の先生方や病院でも院長・副院長クラスになると今後の収益を出すために避けて通れないネタなので、情報収集に必死です。

ユウトのエリアにも回復期・慢性期病院がたくさんあり、今後どのような流れで進んでいくのかを考えていきたいと思います。

 

 少子高齢化を迎え日本の医療は、

・広域のエリアを担う「高度急性期病院

・様々な患者を診る 「地域多機能型病院

の2つに大別されていくと言われています。

現状、救急患者の約6割は後期高齢者(慢性期の救急)であり、「地域多機能型病院」が地域包括ケア病床・回復期リハビリテーション 病床・高度慢性期病床・障害者病床を利用して、その医療を担うと考えられています。

 

「地域多機能型病院」は 全ての患者受け入れ、退院先の確保、そして在宅療養支援の強化を行うことが条件となり、人 口減や高齢化に沿った適切な医療を行っていない自称急性期病院(例えば、100床未満の小規模病院)は、今後経営が厳しくなって行くことが予想されます。

地域医療構想で7対1入院基本料については全国約38万床→約25万床(約13万床減)を達成するため、今回の同時改定ではデータ提出加算やDPCなどによって得られたデータを基に厳格化を進め、高齢患者の行き先となる介護施設等へ急性期病院からシフトさせようとしている。

急性期病院では行うべき処置が終わった後もだらだらとリハビリもせず入院していても患者は日常には戻れない。実際、急性期病院から慢性期病院へ紹介されてくる患者は低栄養や脱水状態を改善されていない場合もあり死亡することも多いようです。これは主病名以外の身体症状を軽く見ていることによるものであって、自立支援に向けては(ST・歯科衛生士による)嚥下リハビリテーションと排泄リハビリテーションを行うことも重要であり、このような医療を行うことにより超高齢者であっても在宅復帰が可能にな っていく。

そのため自院の利益を第一に考える施設に明日はない。

 

地域包括ケア病棟に関しては、全国的に増加しているものの療養病床と比較し、一般病床からの転換が非常に多い。慢性期の地域包括ケア病棟では自宅療養や介護施設等における急性増悪時 の入院が多く、ただ自宅復帰できる患者は少なく、介護施設等へ戻る患者が多いが、死亡退院も15%ほどみられる。そのため慢性期DPCを採用し医療情報を収集することで、適切な診療体制に役立ててほしいとの期待があります。

 

厚生労働省は地域包括ケアシステム強化のため、介護保険法の一部を改正し新たな介護保険施設として「介護医療院」を創設する。慢性期医療には長期間治療を行う施設が必要であり、まさに適切な政策である。

その介護医療院は2パターンあり、いずれも病院内となるため医療設備や医療スタッフがいることから病状急変の場合にも安心である。現在のところ、介護療養型医療施設療養病棟入院基本料2(25対1)しか転換できず、一般病床は3年後からとなる。

介護医療院は総量規制の対象となるため、地域の高齢者ニーズや事業者の参入意向等を把握して必要 入所定員総数を設定することとなる。 2018年同時改定の診療報酬では療養病床でも短縮化の傾向であり看護基準、重症度、医療・看 護必要度が適正化されていくだろう。また介護報酬もプラス改定は難しく、身体介護と生活援助の報酬におけるメリハリ、同一建物減算対象の拡大、通所サービスにおいては通所リハと通 所介護におけるアウトカム導入、訪問看護においてはターミナルケアの充実、介護老人福祉施 設においては入所者の医療ニーズへの的確な対応、老健においては在宅復帰機能・リハビリ提 供機能・医療提供機能への特化、介護療養型医療施設では介護医療院への転換が議論されてい く。 患者の医療ニーズは複雑化し医療環境も大きく変化していることから、慢性期病院は地域包括ケア病棟の導入や慢急患者を担当するケアミックスの「地域多機能型病院」を目指して行くことが今後、生き残るための1つの道だと考えられています。