製薬会社の営業マンのすべて

ヘルスケア業界は、高給取りなどのイメージもありますが、社員に優しい業界でもあります。毎年の就職ランキングで人気職種になる理由も納得です。そんな業界に勤める現役MRが包み隠さず発信していきたいと思います。

MRの今後を予想してみました。MR人生を思いっきり楽しむために大切な5つの選択ポイント。【2018年4月更新】

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現役MRのユウトです。

 

僕が入社した10年ほど前は

医療業界は半分、国営企業に就職したと同じだと言われていました。

 

その理由は

税金で医療費が支払われているためです。

 

医療費が製薬会社の利益になっているので、

税金の資源は僕たちの給料となるためです。

 

よく新人MRの僕に対して、

得意先の受付のおばちゃんは

 

「よい業界に入社したね!安定しているし!」

 

みたいな事を言い続けられました。

自分でもよい業界に入社したんだな~&人生勝ち組だ!と思っていました!

今でも、給料面と時間面で恵まれた環境で働いていると思います。

 

まだ4年目くらいだったと思います。

業界の事を全然知らなかったのもありますが、

安定なはずのMR職に、しかも国内大手製薬会社から

早期退職の発表がありました。

 

名は「早期退職」ですが、

実際は「肩たたき」に近かったと聞きます。

 

これまで製薬会社は

組織改編の度、早期退職を行っていたので、

自然な流れでしたが、

 

当時の僕にあった

「製薬業界=安定」の文字は

一瞬にして消え去り、

自分の人生について深く考えるようになりました。

 

それまでは、

この会社で

本社なども経験して

どんどん偉くなって

同期入社のメンバーよりも多く稼ぐぞ!

と強く意気込んでいました。

 

あんなにも強い気持ちに影響を与えた

「早期退職」というイベントは

僕のMR人生に大きな影響を与えました。

 

2018年初めに

MSDの早期退職がYahooのトップニュースにもなるくらいなので、

MRの今後って凄く気になりますよね。。

 

だからMRの今後について考えてみましたが、

 

やっぱりMRは魅力的な仕事です!

 

現役MRだからこそ考えられるポイント!

 

人生を思いっきり楽しむための極秘

 

を包み隠さず伝えちゃうよ!

 

 

【目次】

MRの将来性に不安になる5つの要因

MRの今後に不安になる要素はいくつかあると思いますが、

大きく5つじゃないかと思っています。

 

・莫大な社会保障

・超高齢化社会に向かう日本社会

・高すぎる?給料

・AIの急速な発達がMR業務に影響を与える

訪問規制の強化

 

これらの要因により、

現在、好待遇のMRの職種もどんどん必要性がなくなり、

やがてすべて仕事が置き換わるのではないか!

と予想する人もいます。

 

最大の懸念は莫大な社会保障

刺激的なニュースが2017年末にありましたね。

 

「薬価制度の根本改革案」

 

安倍政権では重要な国策として

再生医療創薬研究」

を挙げています。

 

海外もこの領域には相当な資金を投資しており、

ビッグビジネスの臭いがプンプンしています。

 

けど、

海外企業の資金は日本の島国からするとホントにケタ違いで、

もっと国が援助金を支援すべきなのに、

できない状態が続いています。

 

理由は明確です。

 

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社会保障費です。

 

これから超高齢化社会に突入にむけて、

社会保障費は益々増加傾向になると言われています。

労働人口が減っていくので、歳入も減収。。。)

 

そのため、

国の支出部分に対して社会保障費の占める割合が高く、

これ以上は抑えたいのがホンネでしょうね。

 

ちなみに、薬価改定の根本改革として取り上げられているポイントとして

 

・薬価改定の範囲を大幅拡大

・薬価改定を毎年改定(現在は2年に1度)

・新薬創出加算はオーファンドラッグのみ

・費用対効果を分析して薬価改定(イギリスはこの制度ですね)

ジェネリックが浸透している医薬品は大幅値下げ

・市場規模が350億円超えると4回/年、薬価改定(オプジーポが原因ですね)

 

こうなってくれば、

自然と製薬会社の将来が不安になってくるのは普通だと思います。

 

高齢者社会と政府の歳入を支える労働人口の減少

人口統計は、統計学の中で、

パンデミックと戦争起こらない限り

正確な数字と言われています。

 

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上から順に

2015年、2040年、2065年の

人口ピラミッドの変化です。

 

2015年、65歳以上が26.6%だったのが、

2040年には65歳以上が36.2%

2065年には65歳以上が41.2%

 

 ともの凄い勢いで伸びてきます。

労働人口は減るため

今の国民皆保険制度ではもたないと言われています。

 

国民皆保険制度ではもたないため

医療費の抑制につながり、医薬品業界が厳しくなる

結果、MRの職種が厳しくなる。

 

人口統計が、

間接的に製薬会社を苦しめる事が予想されます。

 

 

MRの給料は高すぎる?医師、薬剤師などの医療関係者の給料と比較してみる

MRの存在価値について

社会保障費と人口統計からみてきましたが、

MRの魅力の1つでもある給料について考えてみます。

医師や薬剤師、看護師の給料はこのようになっています。

 

 

 

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基本的なベースの給料は上記のようになっており、

これから日直などの手当てが加算されるようです。

10年目の僕の給料は、

病院長・医師よりは低く薬剤師・看護士より高い結果になりました。

 

日本の給料平均が422万円と発表されていますので、

基本的にそれよりかは高水準を推移しており、

給料面では医療業界は恵まれていると感じます。

 

だからこそ、

MRの給料面でも今後が気になるところです。

 

IT・AIの発達でMRはなくなってしまうのか!?

これもよく話題に挙げられます。

特にワトソンなどのAIが発達することによって、

医療業界も劇的に変わるのではないかと言われています。

 

今回の診療報酬改定では「ダ・ヴィンチ」の手術の適応拡大がありました。

さらに、ITと医療のコラボレーションが進み

厚労省も無視できないレベルになってくるのではないでしょうか。

 

MR活動もこの10年で大きく変わりました。

接待がなくなったり、講演会もWebが増えました。

ITを駆使したディテーリングシステムで

M3も医療業界に入ってきています。

 

全世界の製薬会社のCEOも

次々ITの重要性と営業や開発に導入することを発表しています。

 

IT・AIの今後の状況は気になりますね~

 

訪問規制の異常すぎるまでの強化

全国の病院が新しくなっています。

これは2011年の東日本大震災を受けて

耐震性を危惧した

古い医療機関が立て直しているというものです。

 

そこで問題が

「訪問規制の強化」

です。

 

新しい病院になるとセキュリティが 厳しくなるので、

自然と訪問規制が厳しくなります。。。

 

僕の施設も1時間/週の施設があったり

通常訪問だと、まったく先生に会えません。

 

こうなるとMRの生産性が悪くなり、

厚労省からも製薬会社に対してMRの生産性が悪い!と

くぎを刺されている状態です。

 

MRの将来性をここまでの情報で整理してみると、、

医療業業界は、

社会保障費の増大と超高齢化社会により

厳しくなっていく、

 

MRは

給料が高く、訪問規制により生産性が低くなる。

それに代わるのがITだ!

 

MRの未来予想図は

こんな感じになっちゃいました。

 

さすがに現役MRの僕でもこれだけ

将来性がなければイヤです。。。笑)

 

 

それでも明るいMRの今後を5つのポイントから解説します。MR人生(もしくは人生)を最大限に謳歌するための秘訣です。

数字や噂で製薬業界を占うと

非常に厳しいものになりましたが、

これらの数字はオープンになっているものです。

 

業界内であるからこそ

分かる情報、僕の感覚を組み込めば、

今後もMRの将来性は感じられます。

 

結論を言っちゃうと

MRは、なくなりません!

 

MRは情報源の重要なツール

これは顧客が感じている事です。

 

以前専門誌に、薬の情報源はMRだ!という記事を見ました。

どれだけITが進化しても、

情報は人から人へが一番必要とされています。

 

けど、それは信頼できる人からの情報に限ります。

当たり前ですね!

 

 

関係性を重視することから知識で貢献することを考える

大前提に良好な関係性は必要です。

あくまでも過去のような過度の関係性は必要ないという事です。

 

過去には

接待を頻繁に行い、

中には添付販売やキャッシュバックまで行っていたと聞いています。

 

外資系企業も日本市場でそのような事が繰り広げられていると分からず、

日本独自の文化を尊重し野放しにしていましたが、

ディオバン事件以降、様々なコンプライアンス違反が散見され、

グローバルスタンダートを導入しています。

 

その点で非常にクリーンな業界になりました。

 

で、良好な関係性を作るためには

 

「当たり前のことをスピーディーに対応する」

 

これに尽きると思います。

 

その上で

他者との差別化を考えることが必要だと思います。

他者とは他の医療関係者です。

 

決して他社MRではありません。

 

ノートを記載する

 

自ずと〇〇さんから情報を得たいと感じるでしょう。

 

 

 

 

 

今までの製薬会社の売り方とこれからの情報提供の仕方

接待や添付販売、ひどい場合はキャッシュバックの業界

一気にクリーンになるが、一部合法的に医師と製薬会社の忖度が繰り広げられている

外資系も日本の市場に適した売り方を尊重していた時代

 これからは外資の売り方がスタンダードになる 

 日本は魅力的なマーケットじゃなくなる話

 それでも超高齢化社会国民皆保険制度が支える儲けられる社会の仕組み

必死に勉強すること

 2つ目、

    (AIが本格的に参入されるまで)

 

これからは「生き残る会社、生き残れない会社」がくっきり分かれます。

残念ながらすべての製薬会社が生き残れるとは思いません。

 

グローバル企業(=外資系)

一部の内資系企業

 

が生き残る会社です。

 

理由は簡単で、

「新薬(特にオーファン系)が作れる会社」

になります。

 

今回の薬価改定では、新薬創出加算が外資独占の結果でした。

新薬創出加算を取ることは薬価が10年程度維持されるので

会社としては何が何でも取りたい加算です。

それを逃すと薬価ダウンも大きく、

頼みの綱の長期収載品は後発品と同程度まで薬価が落ちます。

 

実際、

今後5年間の医薬品市場は、

主要国で唯一日本がマイナス成長が

予想されています。

参考URL:https://newswitch.jp/p/12398

 

となると、

 

新薬創出加算が取れる会社カ新を作れる会社≒研究開発費が莫大に多い会社

 

になってしまいます。

 

生き残る会社に転職も考えるもの1つの考え方

MR人生を思いっきり楽しむために

生き残れる会社転職してみるのも1つの選択肢だと思っています。

 

自分で解決できる問題と解決できない問題があると思います。

将来のパイプラインなんて、絶対自分で解決できません。。

 

日本の雇用体系はすでに終身雇用の時代が終焉を迎えています。

自分(+家族)の人生なので、

一度転職活動をしてみて、内定をもらってから考えてもいいと思います。

 

ちなみに

僕は外資系大手企業に勤めているので、

周りの同僚たちは今から内資系製薬会社には勤めたくないと言います。

 

転職するのであれば

ベンチャー製薬会社にすると言っています。

 

業界内にいるからこそ

むこう10年間の流れはある程度分かります。

 

これだけは言えます。

外資系、ベンチャー企業が生き残る流れになってきています。

 

もしMRからMRへの転職を考える人がいたら、

下記記事を参考にしてください。

役に立つ情報を詰め込んで書きました!

seiyaku-mr.hatenablog.com

 

自分を信じて行動してみる

 

最後はMR人生ってわけでなく

人生についてです。

 

よく知識は半端なくて凄い人がいます。

けど全然、行動を起こしません。

これからくる未来に対して、

確実にダメな選択をしてしまいます。

 

凄く残念に感じます。

 

一度、なぜその知識を勉強したのかを考えてほしいです。 

「きっかけ」から「目的」に変化してくれたらいいのにと考えます。 

  

 

「●●があったから、〇〇を行う」

 

ではなく、

 

「●●のために、〇〇をする」

 

みたいな。。。

 

まずは行動してみて、

無理なら再度チャレンジする。

 

バスケットの神様、マイケルジョーダンが言っていました

「新しい事を始めるのは怖くない。怖いのは、新しい事を始めなくなる事だ。」

 

その通りだと思いますし、 

人生を思いっきり楽しむためにもっとも重要な事だと思います。

 

 まとめ 

ぶっちゃけ、

 

多くの現役MRは雇用に不安を抱えている人は多いです。

 

けど、

残念なことに生き残れる会社と生き残れない会社があると思います。

実際、M&Aも加速していくと思います(今でも噂は多々あります)

 

ただし、自分で主導権を持つことで、

これからも恵まれた環境が続きますし、

 

長い目で人生を考えたとき

こんなに恵まれた職種はないです。

 

どうもいつも読んで頂いてありがとうございます!